★★★★★
彼らに対するイメージは最悪だった
いきなり話は大きく逸れますが、VWはそんなに好きじゃありませんでした。むしろ苦手な部類に入っていました。
前作のContraも今作ほどではないですが、それなりに評価されていて。
「これからのアメリカのバンドシーンは彼らにかかっている!!」なんて言われていたから、それはもう、わくわくしていた訳ですよ。小さい頃に味わったような、クリスマスがなかなかやって来ない気持ちでレンタル開始日を待っていた訳です。まだかなーまだかなーって。借りました、新作で。
クソでした。笑
人間関係でありませんか?嫌いとかじゃないんだけど、なんかあの人と話し合わないなっていう人。会話のリズムが合わないというか。それと一緒で、レビューを書く気が起きないぐらいクソと言うより、根本的に自分に合わないなと。
だから二度と彼らのアルバムを借りることも聴くこともないだろうなと思っていました。それぐらい彼らに対する自分のイメージは最悪でした。
嘘付け、と。もう騙されへんぞと。笑
で、今作です。
2013年の年間アルバムランキングにおいて、このアルバムを見ないことの方が難しいんじゃないかなと思うぐらい、嫌になるほど入っていて(しかもそのほとんどで上位にランクイン)。「2013年、いや2010年代を代表する一枚である」と評するレビューもあったほど評価が高かった一枚。
今作も合わんかったらほんまにやめようと、逆に今回こそレビュー記事書いて、VWは勿論のことグラミー賞もろともボロクソに叩いてやるからなという気持ちで借りたんです。新作で。
最高でした。笑
良い意味で裏切られたっていう悔しい気持ちと、自分今めっちゃ良い音楽聴いてる、やっぱ音楽って良いな楽しいなこれだからやめられへんわっていう嬉しい気持ちをどう表現したら良いのか分からんくなって。結果、これ笑うしかないわってなって。聴きながらニヤニヤしてました。
マイロザイロトを初めて聴いた時と状況が似てるなって。その時も静寂の世界聴いて、クソやって、マイロザイロトで最後にしようって思って聴いたらめちゃくちゃ良かったっていう。
アルバムの後半、宗教的な、教会をイメージするようなシリアスな曲調になっているのは意図的なんだろうか。
Contraに比べるとやや落ち着いて大人になった感じがするけど、VWらしいリズミカルな音やドラムの乱れ打ちは残っていて、音は更に研ぎ澄まされてで。
Diane Youngは曲自体はあまり好きじゃないけど、アルバムの流れで聴いてみるとすごく良いアクセントになってたからびびった。ここまで化けるのかと。
捨て曲がないというより、アルバムとしての流れの完成度が本当に高いと思う。
2013年の一枚と評されたのも納得。最高ですなー。
1. Obvious Bicycle
3. Step