Base Ball Bear「C2」,「二十九歳」

★★★☆☆

C2

ダサい歌詞(良く言えば小出氏にしか書けない歌詞)とセンスの悪い曲名は14年経っても相変わらずだけど(むしろ悪化してる気すらある)、Cの頃から変わらない4人と4つの楽器で鳴らしてきた自信と経験、これからベボベ2周目行くぞと過去の作品との境界線を引くいう意味で「C2」なのかなと思った。檸檬のように甘酸っぱい青春の真っ只中だった少年も大人になり、あんなことあったよなって自分語りだったCから傍観者視点に変わったC2。勢いだけで作っていた頃とは違い、どっしりとしたグルーヴを意識した緩やかな曲が中心となり、各メンバーの引き出しが増えて曲に幅ができたことは二十九歳とC2で証明できた。これから更にもう一歩上の段階に、今は全部曲が○○っぽいで終わってるからそれにベボベらしさが加わった時が楽しみ。

 

今の四つ打ちの音楽シーンやAKB系列の売り方をプールに混ぜる、名ばかりのオリコン音楽チャートを砂漠に水を捲くと表現し、それって一体誰のためなのと歌う12曲目がかなり良い。

Cに収録されてる「ELECTRIC SUMMER」がしばらく経ってから今の音楽シーンの礎となったのと同じように、C2に収録されている曲がやがてそうなることを一人のファンとして願っている。勢いだけでなくグルーヴを意識した曲はきっと数年後の音楽シーンの中心となっているに違いない。

 

結果が全てのプロの世界で、今の流行りとは対をなすアルバムをリリースした点においてはすごいと思う。今のフェスでこれらの曲を披露しても盛り上がることはないと思うけど、2、3年後という遠い目で見たらどうだろう。数年後の音楽シーンに向けて放り投げられたアルバム、シーンに・・・C2というのはちょっと無理があるか。

 

11. 不思議な夜

 

ラストの少年のダンスがすっげー好き。

 

 

★★★★☆

二十九歳

C2聴き終わって思ったのが「二十九歳ってええアルバムやったんやな」っていうこと。

二十九歳というコンセプトの下、地元に残った同級生、自分より売れたバンド、あの頃の青春のこと。

二十九歳とC2を一つにしたらめっちゃええアルバムができたのになってことが悔やまれる。似たようなアルバムやからわざわざ分ける必要がない。 

まあそこは締切も契約もある、か。