Beck「Morning Phase」

★★★★☆

Morning Phase

初めて聴いた時は「はいはいでたなクソアルバム」とか思って自分の中ではサイアクの評価だったんだけど、二回三回と聴いていくうちにあれ?って。もしかしてめちゃくちゃ良いアルバムなんじゃね?ってガラっと変わった。しばらく銀杏BOYSとかCloud Nothings聴いてたせいで相対的に落ち着ける音が良いと感じるだけなんかもしれんけど。正直ベックのイメージってアジカンが「Loser」をコピーした時に聞いた暗いイメージしかなかったからこんな透明感のある音でしっかりした歌モノやって肩透かし喰らった。

曲に派手さやポップさというのが全く無いからどうしても地味とかぜんぶ似たような曲に聞こえるという一面があった。けど聴けば聴くほどギリギリまで無駄を削ぎ落として音や声の響きまで緻密に計算されているんじゃないかと思わせるほどのコーラスとアコギ、ピアノの音とアルバムの一体感と曲に対し、このアルバムを作るのに一体どれだけの曲を聴いて勉強されたんだろうという気持ちになった。どこか幻想的でもあって。ここでいう幻想的というのはサイケのようなラリったような幻想ではなく、どちらかと言えば癒やしや静けさに近い幻想。

「朝」がテーマ(たぶん)の絵に描いたようなコンセプトアルバム、嫌いじゃないです。寝る前に聴いても全然良いと思う。良い夢見れそう。

 

13. Waking Light