2018年に読んだ本の感想

4年ほど全く本を読んでなくて。

このまま社会人になると、気になってたけど読めてない本が読めないまま一生を迎えそうで。

今の間に少しでもその数を減らそうと、月1冊を目標に6月から本を読み始めました。

2018年に読んだ本とその感想(ネタバレ有)です。読了順。

 

 

6月5日読了

東野圭吾容疑者Xの献身」 ★★★☆☆
容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

数学にしか興味の無かった石神が、愛する人を守るため犯罪に手を染める。

 

「献身」という言葉からおおよそのストーリーは予想していたものの、 その愛の深さに胸が締め付けられた。

花岡靖子が出頭した時、石神は初めて感情を表に出す。誰も救われない話は辛い。

 

7月11日読了

東野圭吾「手紙」 ★★★★☆
手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

 

月に一度、服役中の兄から届く手紙が弟の人生を大きく狂わせる。

 

何を持って罪を償うというのか、その意味について考えさせられる作品だった。

犯罪者の弟と知り距離を置く人見下す人、今までと同じように接する人、元々同じ境遇にあり痛みを知ってるからこそ離れなかった人。様々な立場と境遇を抱えた人が登場する。自分だったら由紀子や寺尾のような優しさや感情を持って接することは出来ず、敬遠してしまうと思う。

直貴は「犯罪者の弟」というレッテルにより、人生の様々な岐路で差別を受ける。その差別を「社会的制裁こそが肉親による償いの一つであり、受ける差別は当然である」と平野は直貴に向けて投げかける。差別は決して許されることではないことを前提に、それでも差別が償いの一つであり、人を殺してはいけないという戒めと周知のためであるならば、平野の言うことも一考の余地があると思った。

ラストシーンからは、犯罪者を許すことが肉親に課せられた償いの一つであるように感じた。

 

7月21日読了

東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 ★★★☆☆
ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

 

過去と現在と人とを繋ぐ、ナミヤさんのナヤミ相談。

 

短編集5編がそれぞれ独立した話だけど、悩み相談を元に奇妙に繋がっていく。

中でも第四章「黙祷はビートルズで」は個人的に1番好きで、子を思う親の愛というのは、形や表現方法こそ違えどやっぱり偉大だなと感じたし、自分の心情によってビートルズへの見方や受け取り方が変わるのが面白いなと思った。

左手の親指が触れるページ数が少なくなっていくに連れ、だんだん話がまとまっていく気持ち良さと、もう少しこの雑貨店で起こる奇跡を見ていたいなという寂しさが。欲を言うなら丸光園の再建まで読みたかった。

浪矢さんが敦也達に向けた「白紙なのだから、どんな地図だって描けます」という言葉は、困難な壁に立ち向かう全ての悩める人に向けた著者からのエールだと思う。

 

7月25日読了

サン=テグジュペリ星の王子さま」 ★★★☆☆
【Amazon.co.jp限定】 星の王子さま (特典:新潮文庫の100冊キュンタ 壁紙ダウンロード)(新潮文庫)

【Amazon.co.jp限定】 星の王子さま (特典:新潮文庫の100冊キュンタ 壁紙ダウンロード)(新潮文庫)

 

いちばんたいせつなことは、目に見えない。

 

名言集とかで言葉自体は知ってたけど、本として読むのは初めて。

子ども向けのシンプルな文章や挿絵だからこそ得られることはたくさんあり、物事の本質を見ることの難しさと大事さ、かけた愛の深さ、人が目指すべき姿について説いてある。

  

8月17日読了

宮部みゆき火車」 ★★★★☆
火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

 

カード社会の犠牲。

 

幸せを追い求める二人の女性の悲しい人生がクレジットカードによる自己破産と共に描かれていて、現代にも通じる普遍性のあるテーマを題材にした作品。

個人的には心情描写が多く読み辛さを感じたが、物語が動き出すと気にならなくなった。最後保が喬子に何と声をかけたのか、作者が描く喬子の話がもっと知りたく、物足りなさを感じた。

 

8月28日読了

池井戸潤「民王」 ★★★☆☆
民王 (文春文庫)

民王 (文春文庫)

 

総理大臣とその息子が入れ替わる話。

 

仲の悪かった親子が、入れ替わりをきっかけに時に言い争い、協力しながらお互いへの理解を深め親子関係を築いていくのが良かった。

入れ替わりの設定や動機に多少の強引さは否めないけど、政治と絡めたコメディならここまで振り切った方が読みやすくて良いのかなと思った。

どんな立場であっても、正義が悪を正論を振りかざしながら真正面から突破していく姿は読んでて気持ちが良い。

キャラの個性やテンポも良く、最後まで一気に読めた。

 

9月10日読了

東野圭吾「秘密」 ★★★★★
秘密 (文春文庫)

秘密 (文春文庫)

 

自分が愛する者にとって幸せな道を選ぶ―――。

 

てっきり、妻を亡くした父を気遣い、母が自分に憑依したかのように娘が演技をし続けた事が秘密なのかと予想したが外れた。

自分がどう行動すれば愛する者が幸せになるのか、その為ならどんな事もする自己犠牲の精神は読んでて辛いものがあった。

嫉妬愛情悲嘆、平介の全感情に共感した。

荒井由実 / 翳りゆく部屋

母の影響からユーミンを聴いて育ってきたけど知らなかった。

この作品を通じてこんな名曲を知れたことにも感謝。

 

9月13日読了

折原一「倒錯のロンド」 ★★★☆☆
倒錯のロンド (講談社文庫)

倒錯のロンド (講談社文庫)

 

狂人。

 

読んでて違和感を感じる部分はあったけど、それがどういう状況でどういう種明かしなのかは全く分からなかった。

語り手が狂人というオチはそれやって良いのか?と少し思ったし、なんなら登場人物全員狂ってるのはどうなんだろう。山本の母親が白鳥を殺害する理由が分からなかった。

白鳥は被害者であって欲しかったから、広美は永島が殺したことにして欲しかった。 

 

9月14日読了

百田尚樹「モンスター」 ★★★☆☆
モンスター (幻冬舎文庫)

モンスター (幻冬舎文庫)

 

どっちが本当の自分か?

 

2匹のモンスターが描かれている。

1匹目は和子。初恋の相手に振り向いて欲しいがために、身体を売り整形を繰り返し欲望のまま貪るように生きる姿はまさにモンスター。究極の美貌を手に入れた和子は、バケモノのように扱われたかつての会社の同僚や同級生、家族に復讐を始める。過去に固執する姿は美しさとはかけ離れたものであり、中身の伴わない外見だけの美しさがどれだけ醜いか、気づかされる。和子の内面を好きになってくれる人が一人でも側にいれば、彼女の人生は大きく変わっただろう。作中で本当の和子を好きになったのは初対面で「モンスター」と言い放った崎村だけであったが、タイミングも時間も既に遅すぎた。

2匹目は和子を取り巻く周囲の人間。時代の流行で作られた美醜感覚によって美人か不美人かを判断し、見た目でしか人を判断しない姿はモンスターである。モンスターはモンスターによって作られ育てられ、ニンゲンは皆モンスターであるという著者の訴えが汲み取れる。

 

9月25日読了

森博嗣すべてがFになる★★★★★
すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

どれが本当の人格か。

 

今となっては当たり前になったVRやAIといった単語が95年執筆の作品に当たり前のように出てくることから、先見の明に優れた著者であることが窺えるとともに、発行年を確かめては驚いてを何度も繰り返した。

天才が故に隔離され孤独であった真賀田四季の苦しみは誰にも理解されないだろう。自分を分かって貰おうともう一つの人格を作る姿は唯一四季に共感できるポイントだった。しかし、実の娘を殺したり、鍵の開け閉め専用のロボットを作ったりするのは全く理解が及ばなかった。「天才の発想は凡人には理解されない」。

犀川真賀田四季と同類、良く言えば天才、悪く言えばサイコパスのような匂いが垣間見えた。犀川は四季にとって初めての理解者で、四季はそれが嬉しかったんじゃないだろうか。

タイトル回収の綺麗さにシビれたし、本作が全10作からなるシリーズの1作目であることを解説で知った時、生きる楽しみが一つ増えたような気持ちにさせられた。最高の気分。

 

10月1日読了

東野圭吾人魚の眠る家★★★☆☆
人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

 

「生きている」とは。

 

脳死がテーマだけど、自分は介護と重なった。

薫子が娘の看病について、自己満足であり納得するかどうかだという結論に至ったのは自分にも通じるものがあり、とても共感した。

しかし、娘はまだ生きていると思い込み、周囲を巻き込んで行う看病は狂気そのものであり、ミステリー小説を読んでいるかのような錯覚に陥った。この狂気がどういう着地点に着くのか、怖い物見たさに近い感情でページが止まらなかった。

 

10月4日読了

松岡圭祐ミッキーマウスの憂鬱」 ★★★☆☆
ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)

ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)

 

夢の国の裏側。 

 

新たな環境で戸惑いや失敗を重ねながら立派なキャストへと成長していく後藤の姿は、バイトをやったことがある人なら一度は経験した事があるだろうし、ディズニーランドに限った話じゃなく共感を感じる部分が多かった。

夢の国であるディズニーランドも、バイトとして働くと理不尽で陰湿な上下関係や確執が存在し、夢も希望も無い裏側の現実があったりと、どこまでが本当なのか分からないけど恐ろしくリアルで、ディズニーもよく許可出したなあと思った。

 

10月5日読了

綿矢りさ蹴りたい背中 ★★★☆☆
蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)

 

誰の背中を蹴る? 

 

タイトルの「蹴りたい背中」。読む前は交友関係や勉強、青春の何かしらにおいて上手くいかない、一歩を踏み出せない自分への自傷行為の一つとして自分の背中を蹴りたい、そういう意味なのかなと思っていた。

読んでみると、どちらかと言うと自分の背中よりハツと同じようにクラスから孤立しているにな川の背中を蹴りたい意味合いの方が強いように感じた。「にな川の背中を蹴る」行為には、自分がにな川より上の立場にあるという権力の誇示と、自分の背中は蹴れないので、代わりに自分と似た境遇にあるにな川の背中を蹴ることで自傷行為に見立てしようとした、又はハツの嗜虐的な性癖もあると思った。

ハツに共感したとはあまり言いたくないけど、でもみんなそうだったよね?と自分は問いたい。このイタさが青春だと思う。

 

10月15日読了

湊かなえ「少女」 ★★★☆☆
少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

 

誰の遺書?

 

難しい。

女子高生二人の視点が入れ替わりで物語が進み、交わるようで交わらず、そして最後一気に伏線が回収され物語が収束し。読み返して戻ってでようやく遺書の意味も理解できた。

面白かったけど、主人公達の気持ちに感情移入するのが難しかった。

難しい。

 

10月18日読了

伊坂幸太郎「砂漠」 ★★★★☆
砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

 

人間にとって最大の贅沢とは。

 

この作品には多くの金言(主に西嶋)がある。

1番好きなのはラストシーンの卒業式で学長が言った台詞。

「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」

 

10月22日読了

貫井徳郎「乱反射」 ★★★★★
乱反射 (朝日文庫)

乱反射 (朝日文庫)

 

あなたも犯罪者。

 

一人一人のちょっとした身勝手やワガママが不慮の事故に繋がる。

世の中で実際に起きている事故にもこういった側面があるのかもしれない。

 

10月28日読了

東野圭吾さまよう刃」 ★★★★★
さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃 (角川文庫)

 

少年法は何を守っているのか。

 

ここまで長峰の目線で描かれると、娘の復讐劇が成功するように情が移ってしまう。

しかし、この復讐劇は本当に正義なのだろうか。長峰がやっていることは殺人であり、自分の行為を感情に任せて正当化しているだけである。誰だって自分を正当化したいのは分かるが、法事国家である日本においてハンムラビ法典は通用しない。正義というのはその時の立場や境遇で変わる。だからこそ、正義の刃の切先を明確にする為に法が補う。

法も万能ではない。犯した罪の重さに年齢は関係ないと自分は考える。残された遺族の気持ちはどうなるのか。結果的に犯罪者が守られている現状の少年法について、今が考え直す時ではないか。

 

11月1日読了

小川洋子博士の愛した数式」 ★★★☆☆
博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

 

 数学は美しい。

 

再読。

3人がお互いを思いやって過ごした貴重な時間。博士も記憶には無くても心が覚えているんだろうな。

 

11月4日読了

綾辻行人十角館の殺人」 ★★★★★
十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

捲ったページがすごい。あの1行の衝撃。

 

守須はもうミス研を辞めていたと思い込んでいた(間違った解釈をしていた)から、ヴァンと同一人物だとは思いもしなかった。

ヴァン・ダインです」も

一瞬「あれ?辞めたんじゃないの?なんで?」って思ったけど著者の術中にハマってただけだった。

エラリイの予想が外れ過ぎて、自分がヴァンだったら気持ち良すぎてその場で笑ってしうだろうな。

面白かった。館シリーズ読んでみたい。 

 

11月13日読了

池井戸潤ルーズヴェルト・ゲーム」 ★★★☆☆
ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)

ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)

 

人生も仕事も野球も、逆転劇を前提に。

 

ルーズヴェルト・ゲームというタイトル通り、8-7というスコアになることは大方予想がついていて、じゃあそこに向かって物語がどう収束していくのか?という話。

時代の変遷と共に野球部の役割や置かれる状況が変わりつつも、球場に足を運べば、そこには昔と変わらないものがあるって良いな。

廃部に異を唱えなかった青島会長の言動は意外だったけど、城戸が野球部を引き取ってくれると見込んで球場に誘ったりしていたのなら、腐っても老カリスマだなと思う。

 

11月15日読了

村田沙耶香コンビニ人間」 ★★★★☆
コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

誰かが決めた「普通」に悩む人達へ。

 

普通の姿に擬態しきれない恵子に複雑な気持ちを抱きながら、「普通」を押し付けてくる世の中に対しても疑問を感じる作品だった。

世の中が求める普通の姿になれるのがコンビニであれば、それを認めてあげる世の中になって欲しい。

普通なんて言葉、無くなれば良いのにな。

 

11月20日読了

又吉直樹「火花」 ★★★☆☆
火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)

 

芸一本で食っていくことの難しさ。

 

著者の芸人という職業が最大限生かされた作品。

面白いが空回りして燻って、世間からはみ出た神谷みたいな芸人が世の中に沢山いるんだろうな。

 

11月22日読了

道尾秀介「向日葵の咲かない夏」 ★★☆☆☆
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 

「この世界は、どこかおかしい」

 

S君が蜘蛛になって喋って再登場した時点で「あれ?思ってたのと違うな、ちょっと苦手かも」と思ったけど、最終的にみんな人間じゃないってオチはもう何でもアリかよって匙を投げた。

お前それ小説だから分からなかっただけでお前それお前お前それお前お前お前じゃんってなった。

倒錯のロンドもそうだったけど、登場人物が全員狂人な作品は好きじゃないことがよく分かった。

タイトルは一体どういう意味なのだろう。 

 

11月25日読了

佐々木圭一「伝え方が9割」 ★★★☆☆
伝え方が9割

伝え方が9割

 

作品名が全てのコツ。

 

だいたいこうだよなと何となく分かっていた気になっていたことが上手く言語化されている。

ただ、自分みたいな、例えば自分のような、自分のような本当に伝えるのが下手なヤツは「☆ポイント☆相手の頭の中を想像すること!」なんて言われても相手の立場になって考えることが出来ないから伝えれず困っている訳で、申し訳ございません相手の立場になって考えるやり方から教えて下さいという感じ。発達障害

相手にとってメリットになることから考え始めて、自分の提案に繋げる。

 

11月26日読了

安部公房砂の女」 ★★★★☆
砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

環境が人を変えていく過程。

 

砂の穴に閉じ込められたことに憤慨して最初こそ抜け出そうとするも、だんだんその環境に慣れて順応していき、最終的に砂の穴の中で生きていく事に妥協?洗脳?されていく男。怖いけど分かるような気がする。

 

12月1日読了

池上彰「伝える力」 ★★★☆☆
伝える力 (PHPビジネス新書)

伝える力 (PHPビジネス新書)

 

相手の力量を推し量る力。

 

・難しいことを簡単に、簡単なことを簡単に伝えれないのは理解不足

・褒めてから叱る。褒める時は皆の前で。

・本当に読みやすい文章は接続詞が要らない

 

12月2日読了

小林多喜二蟹工船・党生活者」 ★★★☆☆
蟹工船・党生活者 (角川文庫)

蟹工船・党生活者 (角川文庫)

 

ブラック企業・フリーター

 

ブラック企業蟹工船を比較すると、時代は変われど弱者が強者に摂取されている形式は変わってないのではと思う。

 

12月9日読了

辻村深月かがみの孤城」 ★★★★☆
かがみの孤城

かがみの孤城

 

あなたの居場所は他にもある。

 

様々な理由で学校に行けない中学生7人が鏡の中の城に集められるところから物語は始まる。

狭い教室がこの世界の全てではないこと、中学校を卒業し10年が経った今は分かるけど、当時は分からなかったなあ。

学校に行けない人に届いて欲しい一冊。けど届かないだろうなあ。

 

12月15日読了

伊坂幸太郎アヒルと鴨のコインロッカー」 ★★★★☆
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

コインロッカーに神様を閉じ込める。

 

現在と2年前の出来事が少しづつ近づいてくる。

話が単純に面白い。

 

12月17日読了

村上春樹風の歌を聴け」 ★★☆☆☆
風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

世の中は意味のないことに満ちている。

 

ページ数が少なくさらっと読めたが、この魅力が分かる読解力が自分には無かった。

言い回しのカッコよさだったり日本人が書いたようには思えない文体。

 

12月27日読了

筒井康隆「旅のラゴス」 ★★★☆☆
旅のラゴス(新潮文庫)

旅のラゴス(新潮文庫)

 

旅は終わらない。止まらなければ。

 

目的は無く、旅こそが人生であるラゴスの価値観。

好奇心のままに生き、奴隷や王様の身になっても粛々と自分に与えられた役割を果たすラゴスの姿は、人生において必要な姿勢は何かを教えてくれる。

人生に失敗なんて無い。止まることさえしなければ。