2019年に読んだ本の感想
2019年に読んだ本とその感想(ネタバレ有)です。読了順。
- 養老孟司「バカの壁」 ★★★☆☆
- 宮下奈都「羊と鋼の森」 ★★★★★
- 恩田陸「蜜蜂と遠雷」 ★★★☆☆
- 稲見一良「ソー・ザップ!」 ★★★☆☆
- 乾くるみ「イニシエーション・ラブ」 ★★★☆☆
- 夏目漱石「こころ」 ★★★★★
- 外山滋比古「思考の整理学」 ★★★☆☆
- 司馬遼太郎「新装版 竜馬がゆく(1)」 ★★★☆☆
- 森見登美彦「熱帯」 ★★★☆☆
- 伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」 ★★★☆☆
- 若林正恭「ナナメの夕暮れ」 ★★★★★
- 沢木耕太郎「深夜特急1 ー香港・マカオー」 ★★★★★
- 吉本ばなな「キッチン」 ★★★☆☆
- 田村耕太郎「頭に来てもアホとは戦うな!人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法」 ★★★☆☆
- 瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」 ★★★★☆
- 星新一「ボッコちゃん」 ★★★☆☆
- 太宰治「人間失格」 ★★★★★
- カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」 ★★★☆☆
- 村上春樹「ノルウェイの森 上」 ★★★★★
- 村上春樹「ノルウェイの森 下」 ★★★☆☆
- 若林正恭「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」 ★★★★☆
- 若林正恭「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」 ★★★★☆
- 村上春樹「1Q84 BOOK1 <4月-6月>」 ★★★★★
- 村上春樹「1Q84 BOOK2 <7月-9月>」 ★★★★★
- 村上春樹「1Q84 BOOK3 <10月-12月>」 ★★★★☆
- 東野圭吾「沈黙のパレード」 ★★★★★
- 恩田陸「夜のピクニック」 ★★★☆☆
- 殊能将之「ハサミ男」 ★★★☆☆
- 東野圭吾「悪意」 ★★★☆☆
- 今村夏子「むらさきのスカートの女」 ★★★★☆
- ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」 ★★★★★
- 齋藤孝「読書する人だけがたどり着ける場所」 ★★★☆☆
- さくらももこ「もものかんづめ」 ★★★☆☆
- 大江健三郎「死者の奢り・飼育」 ★★★☆☆
- ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド「FUCTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る週間」 ★★★☆☆
- ヘミングウェイ「老人と海」 ★★★☆☆
- 三島由紀夫「金閣寺」 ★★★★
- 村上龍「限りなく透明に近いブルー」 ★★☆☆☆
- 貴志祐介「新世界より(上)」 ★★★☆☆
- 貴志祐介「新世界より(中)」 ★★★★☆
- 貴志祐介「新世界より(下)」 ★★★☆☆
- 中村文則「教団X」 ★★★☆☆
- 平野啓一郎「マチネの終わりに」 ★★★☆☆
- 西加奈子「サラバ!(上)」 ★★★☆☆
- 西加奈子「サラバ!(中)」 ★★★☆☆
- 西加奈子「サラバ!(下)」 ★★★★☆
- 小野寺史宜「ひと」 ★★★☆☆
- 谷崎潤一郎「春琴抄」 ★★★★☆
1月4日読了
養老孟司「バカの壁」 ★★★☆☆
SNSの普及によって情報過多になりがちな現代人こそ読むべき一冊であるように感じた。情報を取得する際の意識と無意識の間にあるものこそが壁であり、それを壊すには他人を理解しようとする姿勢が大事という人間の根本的なことが指摘されている。
1月5日読了
宮下奈都「羊と鋼の森」 ★★★★★
ピアノの調律師を目指す主人公・外村の成長物語。
調律師という職業に限らず、何かに取り組む時「自分に向いてないのでは」と不安や劣等感に苛まれ、森に迷い込んでしまうことが多々ある。森に迷い込んでも焦る必要はない。大切なことは外村のようにコツコツ歩き続けることだ。歩みさえ止めなければ道が開けて森を抜け出し、やがて新しい世界が見えてくる。
1月21日読了
恩田陸「蜜蜂と遠雷」 ★★★☆☆
とあるピアノコンクールに挑むピアニスト達の成長を描いた作品。
ピアノ曲を表現する言葉ってこんなにもあるんだ。音楽に対し、自分は登場人物達のように熱を持って接することができなければ、それを言葉にする表現力と語彙力も無いし、才能もないし努力もしない。登場人物達は自分に無いものを全て持っているようで輝いて見え、その対比に耐えられなくなって嫉妬の感情で気が狂いそうになる。でもやっぱり自分も彼らのように音楽を聴いてみたい。ここまで表現できたら楽しいだろうな。
1月21日読了
稲見一良「ソー・ザップ!」 ★★★☆☆
元レスラー、手裏剣の名手、名ハンター、射撃の名手といった4人の達人が謎の男から決闘を申し込まれ、山奥でマンハント・ゲームに挑むハードボイルド作品。
男と男の誇りをかけた真剣勝負の世界。そこには戦いの果てに破れた相手へのリスペクトと、死を悼む姿があった。
1月30日読了
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」 ★★★☆☆
違和感は感じていたけど、その正体がマユの二股とは思いもしなかった。
2月7日読了
夏目漱石「こころ」 ★★★★★
誰しもが心の奥底に持っている他人への羨望や見栄、懺悔の醜さ、一瞬にして崩れる脆さ、犯した罪との葛藤といった複雑な心情が生々しく描かれている。真っ当に生きていくって難しいんだよなあ。
失敗した人間が過去の自分とどう折り合いを付けて、その後の人生を生きていくか。そしてそれがどれほど難しいことか。Kに対する罪悪感を死ぬまで抱えて、苦悩に苛まれながらその後の人生を生きていくことが、先生がKへ出来る一番の贖罪だったと思う。しかし、先生はそれを放棄してしまった。生より死こそが最大の罪滅ぼしという思考に至るのは、明治という時代背景によるものか。先生のエゴのせいで真実を知らされないまま一人残される奥さんの気持ちを考えるとやるせない気持ちになる。
でも、先生が死へと走ってしまう気持ち、自分は分かってしまう気もする。先生にとってたまたま救いの対象が死だっただけの話で、「結局人間って逃げるよね、最後は自分が一番大事なんだよ」という心の奥底にある本質をこの時代に書き上げた漱石の文才は計り知れない。そしてたった100年の間に、物の考え方や価値観ってこれほどまでに変わるものなんだな。
2月24日読了
外山滋比古「思考の整理学」 ★★★☆☆
詰め込むだけではだめ。時には考えを寝かせて、忘れることも必要。
3月5日読了
司馬遼太郎「新装版 竜馬がゆく(1)」 ★★★☆☆
竜馬が土佐から江戸に出て剣術を磨き、黒船来航まで。
3月20日読了
森見登美彦「熱帯」 ★★★☆☆
謎の書物「熱帯」と「千夜一夜物語」がマトリョーシカのように絡み合っていたんだけれど、それが分かりづらくて苦労した。メモでも書き留めながら読み進めないと、自分の頭ではこんがらがってしまった。 ただ、そんな複雑な話がだんだん今手にしている熱帯の話に収束していく様は新鮮で、流石の一言に尽きる。
3月26日読了
伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」 ★★★☆☆
主人公は銀行強盗で悪党のはずなのに、常識ある大人に見えてしまうのは何故だろう。小難しさがなく、エンターテイメント作品としては最高。
4月9日読了
若林正恭「ナナメの夕暮れ」 ★★★★★
ハスり散らかして世間を批判していた若林も年齢を重ね、芸能界でも一定の地位を築いて丸くなり、内面的な変化が受け取れる作品。
「ずっと自意識と向き合い続けてきたけど、自己否定と戦ったところで勝ち目がない。それなら、内ではなく外に大事なものを作った方が人生はイージーになる。」という結論に至るまでの生き様が丁寧に言語化されている。自分が感じるなぜ?と常に向き合って自分と会話し分析することが優れていて羨ましい。良い本だった。
4月10日読了
沢木耕太郎「深夜特急1 ー香港・マカオー」 ★★★★★
滞在先での混沌とした熱狂や雰囲気がリアルに描かれていて、おそらく自分の人生には一生こんな縁はないと思うけど、どこか自分もそこに行ったように思わず想像してしまう。
マカオでのギャンブル。「ああ、こうやって人はギャンブルにハマって抜け出せなくなるんだな・・・」という一部始終が描かれており、怖いものみたさにグイグイ引き込まれた。
4月13日読了
吉本ばなな「キッチン」 ★★★☆☆
愛する人との死別という重いテーマにも関わらず、暗い気持ちにならず読み終えることができたのは、主人公達が自然と前を向いて生きていたからだと思う。どん底にいてもキッチンで作られた美味しい食べ物によって少し元気になっていく様子には親近感が湧く。
4月17日読了
田村耕太郎「頭に来てもアホとは戦うな!人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法」 ★★★☆☆
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
- 作者: 田村耕太郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/07/08
- メディア: 単行本
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一喜一憂してたら身が持たない。アホはやり返すのではなく自分のために使い倒す。
4月19日読了
瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」 ★★★★☆
3人のお父さんと2人のお母さんをもつ優子。その時々の親が優子の幸せを一番に考えた結果が、親の役目を引き継ぐこと。 現実ではぜったいありえない話。でも本を読んでる時間ぐらい、こんな幸せな世界に浸ってもいいじゃない。
4月23日読了
星新一「ボッコちゃん」 ★★★☆☆
数ページほどの話でもしっかりとオチがあるのは言葉の一つ一つが精錬されているからだろう。少し物足りなさを感じた。ショートショート苦手なのかもしれない。
4月24日読了
太宰治「人間失格」 ★★★★★
完璧な人間なんてこの世に存在しない。まずは失格している人間、自分自身を愛し受け入れることが必要だったんだろうな。
5月16日読了
カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」 ★★★☆☆
あまりに有名過ぎて、彼女たちの存在理由だけ知った状態で読了。読み終わってから思ったのは前提知識無しで読みたかった。
人間の都合で臓器提供のためのクローン人間として生み出された彼女達。子供のころから情報を小出しされ、自分達がどこが異質な存在であることを肌で感じつつも、普通の子供のような生活を送る。報われるようなストーリーであってほしいと思いつつも、終始淡々とした語り口で話は進む。決して逆らえない自分達の運命に対し、少年漫画的な発想だと逃避行に走ったり、爆発して抗う思想になりがちだけど、現実はこの作品のようにすんなりと諦めて運命を受け入れそう。
5月20日読了
村上春樹「ノルウェイの森 上」 ★★★★★
5月25日読了
村上春樹「ノルウェイの森 下」 ★★★☆☆
生きるとは誰かを傷つけ傷つけられたり、何かを無くすことだ。人間は不完全だから、無くして初めてその大切さに気づく。喪失は再生の始まりだ。
6月18日読了
若林正恭「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」 ★★★★☆
自分の足りない部分と向き合い、折り合いを付け、どうやって社会に順応していくかってとても難しい。若林の場合はその足りない部分が人見知りや自意識過剰だったんだけれど、社会で生きていくためにそういった部分をどうやって規正するか、足掻きに足掻いて苦しんだ生き様が書かれている。なかなか他人に言えないドス黒い感情を、こうやってお笑いにして表に出してくれたことで、足りてない人達の多様性を認めさせた功績は図りしれず、このエッセイに救われた人も多いように思う。自分もその中の一人だ。
6月25日読了
若林正恭「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」 ★★★★☆
ただのキューバへの単身旅行かと思いきや、亡き父への弔いのための旅であったことが後半に明かされる。「そうか、キューバに行ったのではなく、東京に色を与えに行ったのか。」の1文では、人が旅に求めるものの一つのように思う。普段暮らしている生活の幸せって離れて見てみないと分からないものだ。
6月16日読了
村上春樹「1Q84 BOOK1 <4月-6月>」 ★★★★★
6月24日読了
村上春樹「1Q84 BOOK2 <7月-9月>」 ★★★★★
7月7日読了
村上春樹「1Q84 BOOK3 <10月-12月>」 ★★★★☆
カルト教団、NHKの集金、DV、虐げられた子供等の社会問題を取り入れつつ、青豆と天吾のラブストーリー。長い間隔てられても、天吾と青豆のお互いがお互いを想い合っている姿が愛おしく感じた。物語を引っ張ってきたリトル・ピープルが一体何なのか明確な着地点が無かった?ことが残念。この世界観はすごく魅力的。
7月11日読了
東野圭吾「沈黙のパレード」 ★★★★★
容疑者Xの献身の頃の湯川と比較すると、随分キャラが変わり、以前はどこか機械的にも感じた人間性が良い意味で薄れたように感じた。
7月13日読了
恩田陸「夜のピクニック」 ★★★☆☆
「歩行祭」という夜を徹して80km歩き通すイベントを舞台に、異母兄弟の高校生2人の視点から描いた作品。
青春小説、もう入り込めないなあ。 こういうキラキラした青春こそが絶対正義みたいな訴え、その通りだねって言うからやめて欲しい。自分とのギャップに苦しむ。
7月16日読了
殊能将之「ハサミ男」 ★★★☆☆
タイトルを意識し始めた時点で騙されていたんだな。
7月27日読了
東野圭吾「悪意」 ★★★☆☆
犯人探しではなく、動機探し。
2人の小説家の視点から描かれる。動機なんてないのかもしれない。ただただ「気に入らないからやった」。
8月11日読了
今村夏子「むらさきのスカートの女」 ★★★★☆
黄色いカーディガンの女による、むらさきのスカートの女の観察日記。
黄色いカーディガンの女のような、自覚の無い異常者が一番怖い。そして何より怖いのは「黄色いカーディガンの女怖い」と思ってる人が黄色いカーディガンの女である可能性があること。その可能性は全ての人に当てはまる。
8月13日読了
ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」 ★★★★★
エリートを目指すも結局凡人で終わるハンス。あれだけ見下していた車輪の下で働くことに安心感すら湧くほどプライドをズタズタに引き裂かれ、最後は川に身を投じたハンスを思うと、周囲の大人の期待に振り回され、友人にも恵まれなかった彼の人生は何だったのだろうかと思う。もっと10代や中学生の頃に読んでおきたかった。
8月16日読了
齋藤孝「読書する人だけがたどり着ける場所」 ★★★☆☆
読書をすることの意義が言語化されており、再確認できる本だった。本の世界の奥深さに圧倒されたと共に、この本で勧められたような本を読むことで多様な視点や価値観をもっと吸収したいと思った。古典にもいつか挑みたい。
8月25日読了
さくらももこ「もものかんづめ」 ★★★☆☆
楽しい。若林もそうだったけど、面白いエッセイ本を書く人って分析力がすごい。
8月29日読了
大江健三郎「死者の奢り・飼育」 ★★★☆☆
6つの短編集に共通する閉塞感というか重さは、当時の時代背景や思想が含まれているからか。
9月2日読了
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド「FUCTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る週間」 ★★★☆☆
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
自分がいかに過去の知識や偏見に囚われて世界を見ているかに気付かされる本だった。今日の世界の正しい姿を知り、そう遠くない未来の生活にどう生かすか。世界の話から普段の自分の生活に視点を狭めていった時に、常に知識をアップデートして塗り替えて物事を判断することの重要性が説かれていた。
9月16日読了
ヘミングウェイ「老人と海」 ★★★☆☆
陸では頼りない老人が、海で獲物と対しているとどんどん若返っているように感じた。何歳になっても好きなもの、自分を自分にしてくれる存在は人生を豊かにし、その人を魅力的にしてくれる。
10月14日読了
三島由紀夫「金閣寺」 ★★★★
劣等感から来る憎悪とそれに相反し絶対的な美しさを持つ金閣。自分の心を中心に内と外で美しさの対比が印象的だったし、それが全てだったと思う。絶対的なものを破壊することでしか自分の存在価値を認められず悶々と過ごす日々に同情する。他人を理解するより自分自身と向き合って自分について理解する方が難しい。
10月16日読了
村上龍「限りなく透明に近いブルー」 ★★☆☆☆
セックスとドラッグに明け暮れる若者の話。 この題材の時点でちょっと受け付けれなかったし、題名とのギャップよ。エグい状況をAIのように淡々と記録した文章。きっとリュウの世界はどこか別の場所にあるんだろうな、でも今のこの環境から抜け出せないんだろうな。そうであって欲しい。
10月19日読了
貴志祐介「新世界より(上)」 ★★★☆☆
11月2日読了
貴志祐介「新世界より(中)」 ★★★★☆
11月3日読了
貴志祐介「新世界より(下)」 ★★★☆☆
1000年後の日本は呪力を持つ人間によって、一見極めて安全で美しく整備された世界に思われる。しかしその裏では、呪力を持たない人間をバケネズミにして管理し、反乱を起こさないよう抵抗力を削ぎ落とし、圧政している。呪力を持つ人間同士も、多様性を廃止し、危険因子には容赦なく芽を摘み内乱を防いでいる。結局1000年後の日本の姿は、現在までの1000年間人類が戦争のもと歩んできた醜い人類史と類似していることに気づかされる。さて現実はどうなるか。
11月19日読了
中村文則「教団X」 ★★★☆☆
宗教団体、性、戦争・・・扱っている題材が多く、読み応えのある作品だった。多様性が進む現代こそ、この本を読むことの意義が高まっている。しかし、この世界観に入り込めなかった。教祖様の話長すぎ。
11月24日読了
平野啓一郎「マチネの終わりに」 ★★★☆☆
人生は岐路の連続だ。岐路における数々の選択は、現在と未来、時には過去をも変えてしまうことがある。選択に正解も不正解もない。その人にとって最良の選択が誰かにとっての最悪にもなりうる。だからその選択に責任を持って生きる。選択した未来に責任を持って生きることが、人生における満足度に差を生じさせるのかもしれない。「未来は常に過去を変えている」この一文に出会えただけでこの本を読んだ価値があったんじゃないだろうか。救われる。有吉の「結婚だけが愛の形じゃねぇんだ馬鹿野郎」がふと頭をよぎった。
12月2日読了
西加奈子「サラバ!(上)」 ★★★☆☆
12月11日読了
西加奈子「サラバ!(中)」 ★★★☆☆
12月12日読了
西加奈子「サラバ!(下)」 ★★★★☆
生きていく上で信じるものと信じないもの。自分は何だろうな。
12月15日読了
小野寺史宜「ひと」 ★★★☆☆
聖輔がさまざまな人との関わりを持って成長していく姿が微笑ましい。自分には聖輔のような強さと柔軟性を持ってないな。コロッケ食べたくなった。
12月28日読了
谷崎潤一郎「春琴抄」 ★★★★☆
容姿端麗で秀才なお嬢様春琴と、その丁稚である佐助。移動や食事における補助はもちろん、浴室では春琴の身体を洗い、トイレではお尻を拭く、春琴の性欲を満たすのも佐助の務め。終いには眼球を針で刺し、春琴と同じ盲目になる佐助。当人の間でしか分かりえない常軌を喫する愛の形。